吸血男子
 私にそういうスカルゴーストはもうモンスターなんかじゃくて普通の男の子だ。




「…頂きます……」

『何だ、それ』




 不思議そうにこちらを見つめるスカルゴースト。




「頂きますのこと…?」

『そうだ』

「…えーと……食べ物を作ってくれた人とか食べ物に対してのお礼の言葉みたいな」

『ほぅ…興味深い。人間はそのようなことをしているのか』





 また目を輝かせてじっと朝食を見つめる。





『い…頂きます…』




 そう言ってフォークでトマトをさして口に入れた。




『ん? …頂きますを言ったほうがおいしいぞ…?』

「…フフッ……」




 考えは子供と変わらないみたい。






『何を笑っている…』

「なんでもないよ」




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