吸血男子
「美梨亜ケータイなってんぞ」

「あ、うん」




 ケータイを手を伸ばして取って通話ボタンを押す。




「もしもし~? 美梨亜ちゃん?」

「何、ママ」

「別にー? 元気かな? って思ってー」




 私のママももちろん魔女だよ。




 私たちは突然変異なんかじゃ産まれないからね。






 ママは魔女でパパは魔法使い。





 由緒正しい魔法使いの家系の娘なんだ。






 海斗君のママとパパもヴァンパイア。






「今、貧血だから…寝たいんだけど(笑)」

「あらあら…海斗君ね。じゃあ海斗君に代わってくれる?」

「うん…」




 寝っ転がったまま海斗君にケータイを渡す。



「何だよ」

「ママが代わってって」

「はいはい」




 私からケータイを受け取ると耳にあてた。





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