吸血男子
「美梨亜に何をした」

『何もしてないが? 朝食は食べたが…』

「目的は?」

『お前になぜ話さなければならない?』

「…美梨亜を危険な目に遭わせたからな」

『遭わせたはずはないが?』




 うんうん…遭ってない。




 どっちの味方なんだ、私は(笑)






 だってスーくん悪い人じゃなさそうだし…なんだか寂しそうな顔をしてる。





「目的を話せ」

『…仕方ない。だが、お前は気にくわん。魔女に話すなら良い。お前は隣の部屋にいろ』

「……わかった」




 海斗君は私の傍まで来ると耳元で囁いた。




「俺、耳いいから聞くけどいい?」

「う、うん…」



 フッと笑うと私がいた部屋の椅子に座った。





 私は代わりにスーくんのいる部屋に入った。




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