吸血男子
「スーくん、私に話してくれるの?」

『あぁ…名はたしか……美梨亜と言ったな』

「うん…」





 じっとこちらを見るスーくん。







 スーくんは椅子に座るとゆっくり話し始めた。







『美梨亜…お前は私の大切だった人に瓜二つだ』





 大切だった?





 スーくんは目を瞑り語った。






 今から300年前、スーくんは人間界に遊びに行った。


 ほんの興味半分で。



 魔界から出たところは綺麗な花畑だった。




 そこには1人の女の子が花を摘んでニコニコと笑っている。





「あ、こんにちは」

「…」




 スーくんに気付いた女の子は近くに寄ってきた。





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