吸血男子
「何あれ…ちょっと美梨亜ッ!! 行ってきなさいよ~」

「え、無理だよ~…あんな怖い人たちばっかりのとこ行けないよ…」


「情けないわねー…」




 そう言って雪乃はどすどすと音が鳴りそうな歩き方で海斗君の近くまで歩き寄った。





「ちょっと!! 黒川は美梨亜のなんだから離れなさいよ!!」

「えー…誰ぇ? この女ぁ」

「マジウザいんですけど―」




 明らかに顔を一瞬にして引きつらせた海斗君。




「つぅか美梨亜って誰ぇ? あんたぁ?」

「は? 私はあんな可愛くないし」




 いやいや、雪乃ちゃん…めちゃ可愛いよ(笑)





「美梨亜は黒川の彼氏よ!! あの子!! あんた達なんか目にないのよ」

「何よぉ!! 海斗~、この女何言っちゃってんのかなぁ?」





 ギロっと睨まれた私は縮こまった。




「ひぃ…ッ」




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