吸血男子
「あのッ……家にだよ?」

「へぇ…早く家に帰りたいんだ? 帰れば?」




 なんでそんなことこの人に言われなきゃなんないの?





「ちょっと今電話してるから…」

「ま、いいけど」




 フッと笑うと「準備室」と書いてある物置き状態の部屋に入って行った。





『誰、さっきの声』

「隣の席の人だよ」

『へぇ…友達はできた?』

「うん、みんな面白いよ~。さっきの人以外ね」




 海斗君が苦笑いしてそうな表情が見えてくる。





『あんまり目立つと行動しにくいからほどほどにな』

「わかってるー…海斗君は取り巻きの人たち大丈夫?」

『めっちゃうぜぇ…美梨亜がいなくなった途端これだもんな。マジで早く帰ってきて』




 ため息が聞こえた。





 早く戻って海斗君を守るんだから!!!




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