吸血男子
「美梨亜!!」




 慣れない声に呼ばれた。




「え…?」



 振り返るとムスッとした顔で立っているのは……陸君。






 海斗君じゃない…。





 それだけなのに期待感が全然違うんだ。





「…俺の連れだから」

「こいつ陸じゃねぇ-の?」

「そうだけど?」

「…行こうぜ」




 さっさと行ってしまった2人。




 逃げ足速いってこのことだ。




 陸君って何者?




「時哉、ちょっとこれ持って」



 そばにいた時哉君に鞄を持たせて私に伸びてきた手。




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