君を愛する

「彩香、美咲ちゃんが来てくれたわよ」お母さんが玄関から大声で叫んだ。その声を聞いた私は、玄関へと向かった。
「美咲、わざわざ来てくれたんだ。心配してくれてありがとう」
「彩香が学校を休むのも珍しいから、何かあったのかなって思って。私は話を聞くことくらいしか出来ないけど、話ならいくらでも聞くから」
「ありがとう。じゃあ、とりあえず私の部屋に入って」そう言うと、彩香と美咲は部屋に向かった。
「彩香、何かあった？　悩み事でもあるの？」美咲が話を切り出した。
「修二と別れることになった」事実だけを伝えると、美咲は驚いた表情を見せた。
「本当に？　理由は何だって？」
「分からない。優人の父親の資格はないっていうことと、もう私の傍にはいてあげられないっていうことだけを言ってた。それ以外は何も聞けなかった」
「なんで優人がまだ小さいのに、別れることが出来たんだろ。明日私から修二に直接聞いてみる。彩香は明日も学校休んで、ゆっくり体を休めた方が良いよ」
「うん、お願い」その後も少し話してから、美咲は帰っていった。
　次の日も学校は休んで、美咲からの連絡を待っていた。昼を過ぎたころ、美咲から一通のメールが届いた。
「私から聞いてみたけど、修二は何も答えてくれなかった。もう俺には彩香の傍にいてあげられないっていう一点張りだった。他の皆も、修二と彩香が別れたことは初耳だったらしい」
　私はメールを読み終えると、ベッドの上に横になり気持ちの整理をした。もう修二のことを考えても修二は帰ってこない、と考え机に向かい勉強をし始めた。
　翌日、私は学校に行くため身支度をやっていた。
「彩香、もう具合は良くなったの？」
「うん、もう大丈夫」笑顔で答えた。