二人想い
連れてこられたのは屋上。
「太陽君、海君、ありがとう」
「どういたしまして」
太陽君は、笑う。
「お礼なんかいらねーし」
海君は、下を向く。
「なー、西山」
「なんですか?」
風でなびく前髪。
やっぱりかっこよくて見とれてしまう。
「なんかあったら俺らに言えよ?あと、これからは、敬語禁止」
ニッと太陽君が笑う。
「わかりま…じゃなくて、うん!」
あたしも笑い返す。
「2人でイチャついてんじゃねーぞ」
ほっぺを膨らませながら海君が怒る。
なんだかそれが可愛くて思わず笑ってしまう。
「笑ってんじゃねーぞ!」
やっぱり海君、可愛い。
キンコーンカンコーン
「「やべっ!西山、走るぞ」」
「うん!」
あたしの高校生活は
まだ始まったばかりです。