二人想い
別れ
あのあと、海君は教室を出て行った。
「西山、ほんとごめんな?」
「ううん」
「なんか食べるか?」
「いらない。あたし、帰るから」
「…そっか」
何かを食べる気にもならなかった。
次の日、目が腫れているあたしに、美咲は何も聞かなかった。
それが逆に、あたしには嬉しかった。
また、泣いてしまうかもしれないから。
太陽君と海君に、迷惑をかけてしまうから。
太陽君のあんな顔、はじめて見た。
海君があんなに怒ってるの、はじめて見た。