二人想い
「海君…」
時計を見ると、もう12時をまわっていた。
先生は「西山、戻っていいぞ」って気を使ってくれたけど、あたしは動かなかった。
「…西山?」
海君が目を覚ましたのは1時を過ぎだころ。
「っば!なんでまだここいんだよ!早く戻れよ!」
「あたしはここに居たい」
「……こい」
え?
「寒ぃだろ。ほら。風邪うつすかもしんねーけど」
海君が布団をめくる。
素直に布団にはいったあたしを、海君は後ろから抱きしめてくれた。