君の唄
初めての声
発見
「おーい!!直樹!!早く帰るぞ。」
ざわざわとうるさい教室に、一際デカイ声が響きわたる。
叫んでいるのは入り口に立つ金髪の細身な男。
そして叫ばれているのは俺、だ。
「お前、うるせぇって…
今いけらちょっと待ってろ。」
呆れ気味に俺も叫ぶ。
そしてたいして何も入ってない薄いカバンをもてあましながら、ポケットに手を突っ込んでズカズカと入り口に向かう。
するとアタリマエのように周りの奴らが道をあける。
俺もアタリマエにその真ん中を歩いた。
それが、俺、河上直樹の日常だ。
ー河上直樹
明るめの茶髪。
デカイ体。
整っていると言われる顔。
気崩して原型がない制服。
右手にはタバコ。
カラフルで個性的な連れたち。
そう、いわゆる¨不良¨だ。
毎日、毎日、夜遅くまで遊び回って
バカそうな女と一夜の関係を持ち
怖がる奴らを蹴散らしていく。
そんな空っぽな日々を送っていた。
俺の人生最後までこんなもんだと思ってた。
だけど、
君に出会えて
俺は変われたんだー