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冴慧は答えない
那智の質問に瞳に涙をためて顔を真っ青にした
「あたし……あたしね 何もできなかったよ 何もできなかったの」
涙が頬を伝っていた
「苦しんでたのに 何もできなかった」
冴慧は泣き崩れた
「………美和」
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「…………っ」
角を曲がろうとしたときすごい勢いのトラックがあたしの目の前を横切った
ちょっとずれてたらひかれてたかも…
キキー
そんなことを考えていたらブレーキ音が聞こえた
「……さっきのトラック?」
あたしは方向転換してそっちに向かう
そこでみたのはとんでもない光景だった
「美和っ……」
はねられたのはなんと美和だった
「救急車呼んでください 早くっ」
あたしは運転手にそう叫んで鞄を投げ捨て美和に駆け寄った
「大丈夫?美和……大丈夫?」
「……………」
美和の口が微かに動く
「何?もう1回」
あたしは血まみれの美和の口元に耳を近づけた
「じ……んくん」
陣君
すぐに救急車が到着した
あたしは身体の震えが止まらなかった
「関係者ですか?」
トラックの運転手が救急車に乗るように言われた
「………あたしをのせてください 彼女はあたしの友達です」