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「………はい」

――パタン

あたしはゆっくりと頷いて生徒会室をあとにした

彼方先輩がいうことは図星だった

全部全部
図星だったんだ……

あたしは逃げてるだけだ

ただ向かいあうことがこわいだけ

陣の想いと
那智の想いと
それから美和の想いと………

自分と向き合うのがこわいだけ


「……あ」

「終わりましたか?」

「はい」

あたしがはじめて生徒会室にきたとき那智が待ってくれていた位置に千歳さんは立っていた

てっきり違う部屋にいたと思っていた

「………冴慧さん 1つだけお聞きしてもよろしいですか?」

「なんですか?」

「冴慧さんは馬鹿なほうじゃないと思います 少なくともあたくしは……そうおもってますわ
なのに何故迷ってるんですか?なにに迷ってらっしゃるんですか?」

核心をつく言葉

「千歳さんは…あたしを過大評価しすぎですよ」

あたしはやんわりと微笑んだ

千歳さんはあたしと彼方先輩の会話をずっと聞いてた

「あたしは馬鹿です 本当に馬鹿
だからみんなを傷つけちゃうし
だからすごく迷ってるんです」

「冴慧さん……あなた本当はもう答えはでてらっしゃるのではないですか?」

「それはまだ……あたし自身にもよくわかんないんですよ 」


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