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「あっれぇ?冴慧ちゃんじゃん」

3年生の廊下を経由して教室に帰ろうとしていたらすれ違った人に声をかけられた

「え……っと」

名前がでてこないよぉ

苦戦しているあたしに彼女は笑顔で言った

「忘れちゃったのぉ?鈴梛だよぉ 谷塚 鈴梛っ」

名前を聞いてようやくはっきりおもいだせた

ブスこと谷塚 鈴梛先輩だ

『ブス』という単語が強く印象に残りすぎていて名前がすっかりとんでいた

「おもいだせた?」

「はいっ」

鈴梛先輩は目一杯の笑顔を見せてくれた

「冴慧ちゃんなんか落ち込んでるみたいだったから声かけちゃった♪もしかしてあの馬鹿になんか言われた?」

「い…いえ」

「そ?ならよかった もし馬鹿になんか言われたらいつでもあたしに言ってよ 絞め殺しとくから」

ウインクしながら言う鈴梛先輩

「ありがとうございますっ」

「そういえばさ 那智元気してる?」

「え?那智ですか………?」

「うん 最近全然家に顔見せに来てくれないからさぁ」

つまらなさそうに呟く鈴梛先輩

那智と……どういう関係なのかな?

もしかして付き合ってるとか?

彼方先輩と二股?

頭の中でいろいろ考えているあたしに先輩は気づいたようだ
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