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「………な………よ………」
「も………………………よ」
部屋の奥から会話が聞こえる
耳をすませる
1人は彼方先輩
もう1人は……女の先輩?
「どうして美漓じゃだめなの?なんでそんなにあの子がいいの?」
「俺はあいつじゃなきゃ無理なんだ」
「あの子は好きな人いるじゃんか」
「…………黙れよ」
―――ガタッ
「彼方……?」
入り口にたっているのは鈴梛先輩
あたしはとっさに近くにあった机の下に隠れた
「そういうこと……急に呼び出したから何かと思ったら」
「鈴梛……」
「よかったね 馬鹿彼方」
一瞬見えた鈴梛先輩の横顔は涙に濡れていた
―――バサバサ
「……あ"」
立ち上がろうとした拍子に本棚の本をぶちまけてしまった
「冴慧ちゃん?」
「え……あ……すいませんっ」
彼方先輩が少し驚いた顔であたしを見ている
ばれちゃった…
あたしは急いでその場をあとにした
「はぁ………」
変な現場にでくわしちゃったよ
もうすぐチャイムがなっちゃうから急がなくちゃ
あたしは足早に教室へとむかっていた
「あれ 鈴梛……先輩?」
屋上へと向かう階段をかけあがる後ろ姿
「……さぼろう」
あたしは少し悩んでから階段を登っていった