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「だれが勝つかな?」

「わかんない」

「そんなの龍之介君に決まってるじゃん♪」

「「ぇえ?!なっちゃんいつからいたの?」」


あたしと波美の声がはもった

「えへへっ」

楽しそうに笑うなっちゃん

「うーん あたしは南波君が勝つと思うな 冴慧は?」

「…………あたしは」

あたしは何か会話をかわしている那智と陣を見る

「あたしはわかんない」

どっちに勝ってほしいかわかんない

那智が好きなのに
那智に気持ち伝えようと思ってたのに

好きなはずなのに

あたし何悩んでるんだろ

パンッ

一瞬だったほんの一瞬の出来事だった

「…………まさかの那智君?」

「めっちゃ速かった…」

遠目ではわからないくらいの近差で那智が勝った

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「俺の勝ちだぜ」

「………負けたぁ」


陣は本気で悔しがっているみたいだ

俺は陣の肩をぽんと叩く

「約束は約束だからな 俺が先に告る」

「…………。」

「いつもお前が言ってる先手必勝ってやつだ」

背中を向けながら陣に手をふった

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「畜生………」

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