cЯоWи +。'*
-----------------------
「だれが勝つかな?」
「わかんない」
「そんなの龍之介君に決まってるじゃん♪」
「「ぇえ?!なっちゃんいつからいたの?」」
あたしと波美の声がはもった
「えへへっ」
楽しそうに笑うなっちゃん
「うーん あたしは南波君が勝つと思うな 冴慧は?」
「…………あたしは」
あたしは何か会話をかわしている那智と陣を見る
「あたしはわかんない」
どっちに勝ってほしいかわかんない
那智が好きなのに
那智に気持ち伝えようと思ってたのに
好きなはずなのに
あたし何悩んでるんだろ
パンッ
一瞬だったほんの一瞬の出来事だった
「…………まさかの那智君?」
「めっちゃ速かった…」
遠目ではわからないくらいの近差で那智が勝った
----------------------
「俺の勝ちだぜ」
「………負けたぁ」
陣は本気で悔しがっているみたいだ
俺は陣の肩をぽんと叩く
「約束は約束だからな 俺が先に告る」
「…………。」
「いつもお前が言ってる先手必勝ってやつだ」
背中を向けながら陣に手をふった
-----------------------
「畜生………」