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なんでこんなときに勝てねぇんだよ…………

冴慧は那智のこと好きなんだぜ?

先手必勝なんかされたら俺なんか…………

「相手にもされねぇよ」

冴慧が那智と笑いあう姿を想像しただけで胸がモヤモヤする

「なんだよ……これ」

「陣ーお疲れ様」

「杏……」

目の前に笑顔の杏がスポーツドリンクを差し出している

「さんきゅ」

「那智速かったねぇ 陣が負けるなんて思わなかったよ」

「………あいつは大事なやつのことになると俊足なんだよ」

冴慧が絡んでくると本領発揮ってか

「俺はだめだめだなぁ……」

もっと早く気づいてりゃよかった

今となっては冴慧が転校してきた日に綾瀬が言ってた言葉の意味がわかる

「…?陣はだめだめなんかじゃないよ」

「ありがとな」

「ねぇ……陣」

「んあ?」

「大事な話しがあるんだ 明日の放課後ちょっといいかな?」

「あっ おう 別に大丈夫だぜ」

人生相談か?

杏悩むタイプじゃなさそうなのにな


「じゃ…じゃあまたねっ」

そういって走りさってしまった

ん?気のせいか
顔が赤かったような……

「まぁ いっか」

俺は杏がおいていったスポーツドリンクを流し込んだ

甘いけどすっきりした味

「はぁ………」

忘れろ俺!
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