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「そうだな 今日はそんなに忙しくないから帰ってもいいぜ?」
「あっ じゃああたくしが……」
「俺おくります」
千歳さんの言葉を遮って那智がいった
「あー 那智頼んだぞ」
彼方先輩がひらひらと手をふった
「冴慧いくぞ」
「え?…うん」
那智は強引にあたしを引っ張った
「お前ん家ってどこだ?」
「あっち」
あたしは家の方角を指さした
「ふーん じゃあ行くぞ」
那智は止めてあった自転車の鍵を無理やり壊してまたがった
「え?それ……那智の自転車?」
「ちげぇよ まぁいいだろ」
盗難だよ……
「ほら乗れ」
「………うん」
あたしは那智の後ろに乗った
「しっかりつかまってろよ」
そういって那智は自転車をこぎはじめた
「那智?あたしの家こっちじゃないよ」
「知ってるよ」
あたしの家とは全く逆方向だし
「どこいくの?」
「内緒」
「………?」
あたしは那智の背中にギュッとしがみついた
「そんなにしがみつかなくてもおとさねぇから」
「……うん」
しばらくすると見覚えのある景色が広がってきた
「あれ?なんかここらへん見覚えがあるような………あっ」
キキー
自転車がブレーキをかけた