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「俺が嫌いか？」

「………違うっ」


那智は軽く目を閉じた

「俺はさ今まで本気で好きになったことねぇからいろんな女と遊んでキスして それでいいと思ってた」

「………。」

あたしは黙って那智の言葉を聞く

「でも今は違うんだよ お前じゃないと嫌なんだよ」

「那智……」

「最初は遊びだったよ ただからかってやろうと思ってただけ でもいまは本気で………」

あたしは目頭があつくなる

「本気で冴慧が好きなんだ」

あたしの頬を涙が伝う

「………っ」

「冴慧は俺が嫌いか？」

「………ひっく」

あたしはとうとう耐えられなくなった

心が痛くて つらくて苦しくて
涙がとまんないよ

那智が好きなのに好きなのに

なんでいま『好き』って言えないの？


那智はいつもあたしを守ってくれた 助けてくれた

でも…………

「冴慧」

あたしの顔に那智の髪の毛があたる

「好きだ」

あたしはゆっくり目を閉じた






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「陣？」

あたしは陣に呼び掛けた

「陣ってば」

「え？なに？」

「どうしたの？せっかく一緒に帰ってるんだからなんか話してよ」

あたしは拗ねたように口を尖らせた

「わりぃ」

陣はポリポリと頭をかいた