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片方は蓮君の声
だったらもう1人は話しの内容からして………杏?
あたしは耳を傾けた
「なんで……?どうしてそんなこと言うの?」
やっぱり杏だ
泣きそうな声の杏が蓮君に問いかけた
「蓮君には関係ないじゃん」
「関係おおありなんだよ」
冷めた声
突き放すような口調
あたしは再度ドアのぶを捻ろうとした
「………あんなつらそうな兄貴もう見てらんないんだよ」
そしてもう1度躊躇う
「兄貴には……陣には好きな人と幸せになってほしいんだよ」
訴えかけるような蓮君
あたしは思い出した
動かなくなった美和を目の前にした時の陣の姿を
「母さん」って言った陣の姿を
この兄弟
強い絆で結ばれてるんだ
「だからって………」
沈黙を破ったのは杏
「あたしだって幸せになる権利はあるでしょ?」
「………。」
「陣はかえさない 渡さないよ あたしは陣が好き それに陣はあたしのこと好きなんだから」
「……。」
「好きになってくれるって言ったんだから 約束したんだからっ」
発狂する杏
「……んなの 兄貴の弱みにつけこんでるだけじゃねぇかよ」
黙っていた蓮君が口を開く
ひどく怒った下から響くような声だった
「兄貴はまだ冴慧のこと好きなんだよ んなのお前だってわかってんだろ?」