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「なんのこと?」
「俺は…………冴慧にあえたことが幸せなんだよ」
「蓮君……」
はにかんだ笑顔は相変わらず陣に似ていて少しだけ心が痛んだ
「でもあたし…ヤンキーは嫌いだからなぁ」
「おい そこは『あたしも蓮君にあえて幸せ』な場面だろ」
むきになる蓮君
「ははっ」
2人でしばらく笑いあった後 蓮君がなんの前触れもなく真面目な顔つきで言った
「これからどうなるかは冴慧しだいだからな」
「ん?」
「兄貴のことよろしく頼むよ」
「え?」
「まぁ強制じゃねーけどな 俺はどっちにも背中押してあげることできねぇし」
「どういう意味?」
「那智も兄貴もそれなりに好きなんだよ 俺としては」
「うん……?」
「でも俺は綾瀬先輩と同意見だけどね」
「………。」
なんで蓮君が波美と同意見なわけ?
「あ……そういうことか」
この計画の犯人は波美だった
蓮君とぐるだったのは波美だ
「素直になれよな冴慧」
「………あたしは那智が好きなの」
「まぁいいけど」
「あたしは那智のことが好きなんだよ?」
「わかったってば」
「だから………さっきも言ったけどあたしのためならこんなことされても困る」
「冴慧のためじゃねぇよ」