cЯоWи +。'*

差し出したのはピアス

「これ……」

「お前のだろ?大切に扱えよ 投げんな」


陣はそのままあたしの頭をくしゃくしゃ撫でた

「あのさ………

「おいお前らぁ いつまで残ってんだ」

「「彼方先輩?」」

そこには鞄をもってたっている彼方先輩の姿

周りを見渡してみるとあたしたちがいるのは3年生の教室の前だった

「んなとこで暴れてないで さっさと帰れよ」

彼方先輩はにかっと笑って去っていった


「さっき…何いいかけてたの?」

「あー まぁ………なんでもねーよ」

陣は何かいいたげだった

「送る 帰ろーぜ」

気づくと外は真っ暗だった

「うん」

「まぁ 冴慧は1人で歩いてても誘拐されねぇだろうけどな」

「失礼 馬鹿陣」

「馬鹿とはなんだ てめぇ……」

「好きな女の子に対して言う言葉じゃないでしょ?」

しれっと言うと陣は顔を真っ赤にした

「お前だって好きとかいってるやつに馬鹿はねぇーだろ」


2人の間にぽっかりあいていた穴が何気ない会話で埋まるような気がした

ただのちょっとした言い合い

今まで当たり前だった陣との喧嘩

なくさないとわからなかったけどあたしにとっては幸せだったんだね

少し前と変わったのは繋がれた手だけな気がした
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