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「遅くなってごめんね」

あたしが来た場所

美和のお墓

手をあわせたまま閉じていた目を開く

あたしは美和に話しかける

「早いよね 3年生だもん 美和……あれからもうすぐ1年だよ」

美和の笑顔がまだ脳裏に残ってる

あたしは美和をちゃんと覚えてるよ

「謝りたかったんだ あたし……美和に謝りたかったの」

あたしは空を見上げた

「………陣のこと ごめんね」

幸せにしてあげられなくてごめん

美和との約束だったのに

美和の……最後の言葉だったのに

「………あたしだけ幸せになっちゃって……ごめんね」

言葉にするだけで思い出す

美和……


「馬鹿野郎っ」

「………?」

突然声がしてあたしは振り返った

「……え?なんでいんのよ」

そこには怒った表情の陣がいた

「心配してついてきてやったんだっつの」

「はぁ?」

「馬鹿冴慧 てめぇそんなこと考えてたのかよ」

「………。」

陣の顔を直視することができない

「ふざけんなよ」

「……ごめん」

陣はきっと美和との約束破ったこときっと怒ってるんだ……

あたしだけ幸せになったこと怒ってるんだ
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