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「思ったよりも全然広ぉーい」


バンガローについたときには文句を言っていた波美が驚くほど元気になっていた



「冴慧」


荷物を棚の上にあげているとなっちゃんがあたしの肩を叩いた


「ん?」

「……これ龍之助君に渡しといてくれない?」



差し出されたのはピンク色の封筒

あたしはにっこりと笑って頷いた

この2週間である程度どの役員とも仲良くなった

「さばさばしてるようでやることやってるよねぇ」

「うわっ 波美」


バンガローの中をうろうろしていたはずの波美があたしの手から封筒を抜き取った



「恋愛の神様がチェックしてあげる♪」



波美は封筒に貼ってあるシールを丁寧にはがしながら言った



「ちょ…見ないでよ」



なっちゃんは必死に手紙を取り替えそうとするが波美はそれをひょいっとかわす



「橋田 龍之助君へ 今日の夜9時広場に来て下さい」


「菜月ぃ 乙女だねぇ」



朗読している波美と真っ赤になっているなっちゃんを交互に見て美和がはにかんだ



「この手紙はあたしが責任をもって渡しておきます」

「あぁっ…」


あたしは波美の手から再び封筒を奪い返した


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