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「何渡したんだよ」
もといた場所に戻ると何故か不機嫌な陣
「別にぃ?」
あたしはそんな態度の陣に冷たく言い放った
「あのさ」
「何よ?」
「お前さ……」
「だから何?」
じれったいなぁ
心の中でそんなことを考えながら陣の言葉を待った
「冴慧って……」
陣らしくない小さな声
「好きなやついんの?」
「え?」
あたしはがばっと顔をあげて陣の顔を見た
「だから好きなやついんの?」
まさか陣にこんなこと聞かれるとは思わなかった
「陣なんかに教えないもん」
「別にいーじゃん!!」
「いや」
あたしはむきになる陣にアッカンベ―をした
「わかった 龍だろ!!ぜってぇ龍だ」
「なんでそうなんのよ 単細胞」
「ちげぇのかよ?じゃあさっきの手紙はなんだよ」
「あれは………内緒だって言ってるでしょ」
「やっぱりお前……」
「黙れ」
睨み合うあたしと陣に那智が冷たい一言を浴びせた
「「すみません」」
もう一度陣と顔を見合わせ頭を下げた