cЯоWи +。'*

「……。」

言葉がでない

「顔真っ赤だよ?」

あたしの反応を楽しむかのように笑う那智

あたしの肩を自分のほうへ引き寄せた

「ちょ…な…何?」

「1番後ろだし誰も見てねぇよ」

チュッ

頬に柔らかい感触

「なっ…」

あたしは自分の頬を押さえたまま那智から距離をとった

「何すんのよ!!」

「ちょっとくらいいいじゃん」

からかいをまじえながら笑う那智

―やっぱり生徒会との態度とは全然違うじゃん

あたしはキッと那智を睨みつけた

「あんま可愛いことすると今度はこっちにするぞ?」

あたしの唇を指さしながら呟く

「……ありえないしっ」

あたしはさらに顔をあかくして叫んだ

大きな声を出したからみんなの視線があたしたちのいる後ろの座席に集まる

「冴慧ちゃん 北条君 どうかしたの?」

1人の女の子が不思議そうに問いかけて来た

「那智が…

「別になんにもだよ 東城さん 寝ぼけてたみたいだから」

「はぁ?」

でたらめをいう那智の顔をみると『言うなよ』って表情

「そうなの冴慧ちゃん?」


あたしはごくんと唾をのむ

「……ははっ あたし寝ぼけちゃってたみたい びっくりさせちゃってごめんね」

とりあえず話しをあわせておくことにした

< 44 / 215 >

この作品をシェア

pagetop