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ガンッ


あたしが目をつぶった瞬間ドアのほうから大きな音がした

「なっ…」

男たちの顔が強張るのがわかる

振り返るとそこには蹴り倒された扉とポケットに手を突っ込んだ那智が立っている

「那智…」

「冴慧になにやってんのかな?」

「な…なにって」

男たちは返事に困る

那智は片方の男の胸倉を掴んで壁に押し付けた

「お前ら…何?なにやってんの?」

「……ひぃ」

―バンッ

そのまま頭から床にたたき付けた

「何ってきいてんの」

もう1人を睨みながら冷たく言った

「……。」

「言えよ 殺されてぇの?」

こんな迫力のある那智
はじめてみた

「隠れてこそこそとかいい度胸だよな?あぁ?」

那智が倒れている男にむかって右手の拳を振り上げた


「ちょ…那智や…やめてよっ」

あたしは見ていられなくなって那智の後ろから抱き着いた

「冴慧…?」

「そこまでしなくてもいいじゃん」

身体が震えてることが自分でもわかる
それでもあたしは那智を止めなきゃって必死だった

その間に男の子たちは一目散に逃げていった

「あ~ぁ…」

深いため息をつく那智
指をパキパキならした


「…わっ」

あたしは力が抜けてその場に座り込んでしまった

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