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「……よしっ そろそろ行こうかな」

時計を見ると5時30分

あたしは携帯と財布を巾着に入れた

―ピンポーン

「はぁい」

誰だろ…?

あたしはとりあえず小走りで玄関にむかった

―ガチャ

「…え?」

ドアを開けてみるとそこには派手な着物に身をつつんだ杏がいた

「冴慧ぇ~待ちきれなくて来ちゃった♪」

にこっと微笑む杏

「なんであたしの家知ってるの?」

「彼方先輩に住所教えてもらったの♪」

……なるほどね

「一緒に行こお」

「うん ちょっと待っててね」

あたしは杏を玄関において荷物を取りに行った

……杏なんでわざわざむかえにきたんだろ

どうせ学校からは一緒なのにな

せっかちだな…

「お待たせぇ」

「冴慧…似合うな」

「ん?ありがと」

「やっぱり冴慧は可愛いからな……」

「え?」

「なんでもないよ♪早く行こう」

杏が…
一瞬だけ悲しそうな顔をしたような気がする

だけどそこからの杏はいつもどおりの明るい杏だった


「お待たせしましたぁ~」

「うおっ♪冴慧浴衣やん」

やけに嬉しそうな顔をする雅にあたしは愛想笑いをかえした

「けっ 冴慧が浴衣かよ 似合わなねぇし」

「……うざっ」


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