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地図を頼りにしばらく歩く

陣はあたしの後ろをちょこちょことついてきた

「まだかよ」

「もうすぐだとおもうんだけどなぁ…」

あたしは足をとめた

「……もしかしてここじゃない?」

「はぁ?」

もう一度地図と照らし合わせて確認してみる

どう考えてもここだ

「「ありえない」」

目の前に広がるのは見たこともない大豪邸

家とは逆方向だから来たことなかったんだけどこんな近場にお城みたいな家があるなんて…

「やっぱ違うんじゃね?」

陣も来たことがなかったらしく動揺している

「でもここでしょ…」

表札には【北条】と書いてある

那智ってお坊ちゃんだったんだ

だから…あんなに自己中なんだろな

「とりあえずチャイム探そうよ……ってぇえ?!」

呼び鈴をさがしてキョロキョロしていると突然門が開いた

「入れってか?」

「……じゃない?」

あたしたち2人は恐る恐る歩きはじめた



「那智様のお友達ですよね?どうぞこちらへ」

優しげな女の人があたしたちを部屋に案内してくれた

大きすぎるよここの家…

部屋の中にはソファに腰かけた那智の姿

「……那智っ」

「ご苦労様 もうさがってもいい」

「はいっ 失礼いたします」

女の人は深々と頭をさげ去っていった

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