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「意地でも……やめませんから」

「なんでそこまで…?」

俺は波美ちゃんに問いかけた

俯いていた波美ちゃんは顔をあげる

「あたしは冴慧が大嫌いだからです」

「でも友達なんだろ?」

「友達?」

波美ちゃんは柔らかく笑った

「そうなのかもしれませんね でもそうじゃないのかも」


波美ちゃんは俺のすぐ横をすり抜けた

「たとえ希望がなかったとしても 冴慧に役員の権利をかえしたりしません」

去り際にこれだけ言い残していった

「あたしは会長が大好きだからです」

抑揚の感じられない言葉

言い返すことができず俺はその場に立ち尽くした

1つの疑問が生まれた

―綾瀬 波美…東城 波美は俺のことは好きじゃないのかもしれない

なんで嘘をつくんだ?
そこまでして生徒会役員になる理由があるのか?


「とりあえず戻ろうかね…」

生徒会室に戻ると波美ちゃんはいなかった

「彼方さん 意外に早かったですね」

千歳は俺が戻ってくるなり冷たい麦茶を持ってきてくれた

「波美さんは?どうなさったんですか?」

「……しらねぇ」

俺は麦茶を一気に飲んだ

なにを……波美ちゃんは企んでるんだ?

―ガタッ

「帰るっ」

那智が鞄を持ち上げ立ち上がった
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