cЯоWи +。'*


「陣の人で無し」


一緒のクラスなのに最低な男だし

あたしは急いでドアを引いた

やっぱりむかつく


「……え?」


いらいらしながら廊下に出ると扉の横で腕を組みながら立っている北条那智と目があう


「まだなれてないだろ 一緒に行く」


よそよそしい態度のあたしにぶっきらぼうだけど優しい言葉


「ありがと」


思わず顔が綻ぶ


「別に」


あたしに背中をむけてすたすたと廊下を歩きはじめた

あたしはそんな彼の後ろを小走りで追い掛ける

さっきから


頭を撫でられたときからうるさい胸の鼓動

おかしいな…なんでだろ?

教室に行くまでの間あたしたちはほとんど無言だったけどさりげない優しさが心に染みた



「北条那智って静かなんだね」

「んなことねぇよ」



ようやく教室にたどり着いた


「冴慧♪おはよ」

「おはよ」


先に来ていた波美があたしを見るなり飛びついてきた

波美と話していた他の女の子もあたしにかけよってきてくれた


「荷物しまってくるね」


せかせかと鞄の中の荷物を机にしまっていると突然机をばんと叩かれた




< 9 / 215 >

この作品をシェア

pagetop