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「冴慧は馬鹿だね……あんたなんかにあたしの気持ちはわかんないよ」
冷たい瞳
「あたしがどんな気持ちで本当のお父さんを裏切ってまで『東城』の姓にこだわったのか…」
波美は右手を大きく振りかぶった
「……わかんないよっ」
手がふりおろされる直前あたしは叫んだ
「あたしには波美の気持ちなんか……わかんないよ」
目頭が熱くなる
「だけど…だけど…波美のことは大切な友達だよ」
「……ざい」
「え?」
「冴慧のそういうところがうざいのよ」
発狂しながら再び手を振りあげた
あたしは反射的に目をギュッとつぶった
―バシッ
痛……くない
「え?嘘…」
波美が驚いた声をあげる
「なんで……?」
あたしと波美の間にわってはいったのは波美のお母さんだった
「……なんでかばうのよ あたしが本当の子供じゃないから?冴慧が姪っ子だから?」
波美の大きな瞳が涙でぬれる
「あんたもあたしより冴慧が大事なんだっ」
「違うわっ 波美ちゃん」
「違くない いつもいつもあたしに遠慮してよそよそしく振る舞って あんたなんか…あんたなんか嫌いよ」
―パシッ
「……。」
「……。」
「いい加減にしなさいっ」
波美のお母さんが波美を平手打ちした