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ひとかけら
「はぁ…はぁ」
波美の家をあとにしたあたしは学校にむかって走りはじめた
あたし……
生徒会に戻れるんだ…
たった1日
ほんとにたった1日だったけど生徒会から離れていた時間はとてつもなく長く感じた
気づいたのは
那智のおかげ
彼方先輩のおかげ
陣のおかげ
波美の…おかげ
生徒会に戻ったら那智に気持ちを伝えよう
伝えよう
あたしは勢いをつけたまま角を曲がった
「………っ」
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「なんか外……騒がしくない?」
杏ちゃんが不思議そうに言った
救急車の音が聞こえる
椅子をくるりとまわして後ろの窓を見てみると校門のすぐ近くに人だかりができていた
事故か……?
「会長ったいへんですっ うちの学校の女の子がトラックにはねられて……それで…」
1人の生徒が真っ青な顔で生徒会室に飛び込んできた
「校章が……赤だから…2年生だと」
女の子
2年生?
「……もしかしたら」
そう呟いたのは那智だった
「え……?」
次に那智を見たときすでに部屋を飛び出していた
「ちょ……那智」
俺もすぐさま立ち上がり後を追う
さっきの那智の表情
なんか嫌な予感がする
「那智 陣っ待て」
彼方先輩の声を振り切って俺も部屋を飛び出した