やっぱりタウエは声がデカい。そんなに広い部屋ではないから周りみんなに聞こえてしまった。
「あー2年前にね。今3ヵ月の息子がいる。今日は実家に預けてきたの。」
「そうだったのー!?それは、おめでとう!きっと絋も祝福してると思うわ!お母さん達、喜んでるでしょ?初孫はホントにかわいいから…」
「ばあばー!!アイチュはぁー?」
2歳くらいの男の子が、おばさんに近寄って来た。
「娘の子なのよ。絋介っていうの。2歳半よ。」
絋には2つ上の、お姉さんがいた。名前は絋の1文字をとって絋介にしたらしい。おばさんは、それを、うれしそうに話してくれた。おばさんが少し明るく若くなって見えた理由が、ここにもあった。でもきっと絋の子供も見たかっただろうな…そう思うと胸がしめつけられた。
「あっいけない忘れるトコだったわ!松田さん、あなたに渡す物があってね!ちょっと待ってて!」
「はい」
おばさんは奥の部屋から青い封筒を持ってきた。
「あのね実は、うち来月引っ越す事になったのよ。娘夫婦と同居する事になってね…この家だとちょっとせまいから…私達も最初は引っ越すのは嫌だったのよ。絋との12年間の思い出は全てここにある。
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