Love 4 U
どのくらい歩いただろうか。


お囃子の音が、風に運ばれて微かに聞こえてくる。
どこかで、お祭りをしているらしい。


― お祭りか…。懐かしいな。

実家にいた頃は、よく地元のお祭りに出掛けては、綿あめや金魚すくいとかをした記憶を私は思い出していた。

いつからだろう。
地元のお祭りに行かなくなったのは。

その頃から、地元からそして実家から疎遠になっていったような気がする。

地元の友達は、高校、専門、短大、大学と進学するにつれ、地元を離れていった。
バラバラになった、同級生や友達。

でも後に、地元に戻りそこに就職をして、今もちゃんと働いている。

やっぱり、地元がイイのか。


私はというと、学生時代は地元で過ごした。
そして就職を機に、地元を離れ今に至っている。

皆とは逆だ。

本当は、もっと早く地元から出て行きたかった。


私には、地元の雰囲気が合わなかったのだ。

色んな意味で。


私には…




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