Love 4 U
歩みを進めるにつれ、お祭りの場所に近づいていた。


街のお祭りじゃなく、地域のお祭りなのだろうか。

子供も学生も青年も大人もお年寄りも、皆、親しく談笑していた。
誰が店の人で、誰がお客なのだろうか。
店のテントからは、常に人が出入りを繰り返して、客と店の境目が分からなかった。

フツーのお祭りでは、あまり見られない光景だ。

なんか不思議でもあり、懐かしくもあった。


そう、私の地元のお祭りも同じ様な光景だったからかもしれない。

一応、決まっている出店の店番。
なのに、いつの間にか違う人が店番をしている。
中には、子供に任せっ切りになって収拾がつかない出店もあった。
それでも、別に文句を言う人もいなかった。
お祭りは、楽しむモノ。

子供達より、大人の方が楽しんでいたのかもしれない。

地元住民の協力で成り立つ、お祭り。


それが、私の地元のお祭りの形。


そうなると、今度は部外者が入りずらいのだ。




お祭りを見るのを少し躊躇った私は、しばらく遠くからお祭りを覗いた。





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