Love 4 U
金魚すくいをする子供達を見て、懐かしくなった私は、久し振りに金魚すくいに挑戦したくなった。


「お兄さん、一回!」

子供達に場所を空けて貰い、金魚すくいに挑戦した。


「あ…」

「おばちゃん、ヘタくそだなぁ~」

― お、おばちゃん…って。。。ま、別にイイけど…

一匹も取れなかった私に、子供達が騒ぐ。


「ホント、ヘタだな~」
小学生ならまだしも、しみじみと中学生の男の子にも言われる。


「む、昔は、上手かったんだからねっ!」
中学生相手に、ムキになって私は言った。


「うっそだぁ~」
ハハッと、笑う男の子。

それにつられて、周りの子供達も笑う。


「嘘じゃないも~ん」
私は、笑って誤魔化した。
金魚すくいが上手いなんて嘘だった。
小さい頃から、苦手だった。
あまりにもすくえなくて、金魚を入れるお椀ですくって良く怒られたっけ。

昔から苦手なコトは、やっぱり大人になっても苦手なコトに、今更ながら気付く。



「はい。オマケしておいたから」

青年が、金魚の入った袋を私に渡す。


「どーも…」
素直に金魚を貰い、私はその場を後にした。





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