Love 4 U
「死なないよ。人は、そう簡単に死なない」

私の後方から、いきなり人の声。


「キャッ!!」
ブランコから慌てて立ち上がる。
と同時に、手に持っていた金魚を落としてしまった。

缶ビールといえば、しっかり握り締めていて無事だった。
『フツー、逆だよなぁ…』
なんてコトは、ビックリし過ぎて考えられなかった。



「だ、誰…?」

さっきまで拭いても拭いても止まらなかった涙が、いつの間にか止まり視界がはっきりしていた。


薄明かりから、人影がハッキリ浮かび上がる。


不気味な程、静寂な闇。

無音の音に、ピチピチと跳ねる金魚の音が交ざり合う。



― ダレ…?





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