Love 4 U
「あ…、ゴメン。驚かせるつもりじゃ…」

人影は、目が慣れるごとに顔が鮮明に現れた。


「あなたは…」
どこかで見たコトがある顔。


「ゴメン…、大丈夫?」

「さっきの…、金魚屋さん…?」
やっと、誰だか思い出した。

私の鼓動は、まだドキドキと高鳴っている。
恐怖と安堵。
ない交ぜになって、今にも涙が溢れそう。


「ビックリした…」
私は呟いた。

「ゴメン…」
青年は、私が落とした金魚を拾った。


― 意外に優しいんだ…。

見た目はチャラっぽい感じで、絶対遊んでそうと、先入観にとらわれていた。
いや、そう決めつけていた。
でも、子供達の相手をする姿を見て、ちょっと驚いた。
もしかして、真面目なイイ人?と…



その彼がなんで、ここに?
疑問を抱いた。

「なんで…?……えっ?」
彼に質問をしようと声を掛けた。

なのに、今そこにいるハズの彼がいない。



「金魚屋さん…。どこ…」
私は泣きそうな声で、彼を呼んだ。




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