Love 4 U
「あっ、そういえば…お祭りは?」
まだ、お囃子の音がするのに気が付いた私は、彼に聞いた。

それに今時間、終わるにはちょっと早過ぎる。


「あっ…。そうだった………」
彼は、思い出した!という顔で、いきなり走り去っていった。



― ヘンな人…
彼の行動に、私は笑ってしまった。



「良かったね…」
私は、元気よく泳いでいる金魚に話した。

ずっと見てても見飽きない金魚。

「いいな、君達は…。悩み事なんてないんだろうな…」
金魚が羨ましく思えた。

金魚を空高く掲げる。
星空を泳ぐ金魚は、自由に思えた。


自由を追い求め、いつか自由になる。

なのに、自由が欲しかったハズの自由は、いつの間にか不自由に感じる。

それは、私達のワガママなのか。

それとも、この世界が自由に見えて本当は自由じゃないのだろうか…





< 28 / 65 >

この作品をシェア

pagetop