Love 4 U
「ねっ!」
と言う声と同時に、私の肩をトントンと叩く。



「ギャ~ッ!!」
勢い良く出た、私の声。

その良く通った声は、街中に響いた。



そして私は、また金魚を落としてしまった。


空高く掲げていた金魚。


水も金魚も、勢い良く飛び散った。


それは数秒のコトなのに、スローモーションに見えた。

私はただ呆然と、金魚の落ちる様を見つめていた。



今回で二回目の、金魚の悲劇。


― ゴメン…。金魚ちゃん達。





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