Love 4 U
時間は、あと数分で11時になろうとしていた。


もうお祭りの音も、人気もない静かな公園。
いや、静かすぎて淋しいと言った方が正解かもしれない。


私が今座っているブランコが、キーキーと鳴る音がするだけで猫も犬もキツネも歩いていない。

ブランコの金具が擦れる音は、この静寂な音とが不気味に交差して恐怖すら覚える。



既に時間は11時が過ぎ、長い針は15分を指していた。



「やっぱり嘘か…」
― やっぱり、冗談だよね。からかっただけか…。


答えを知った私は、あまりのバカらしさに笑ってしまった。


微かな望み。
という訳じゃないけど、私は彼に何かを期待していたのかもしれない。

それが期待しすぎて、こんな行動に出てしまった。


死ぬ間際になっても、まだ素直に『淋しい』と思うコトも口にするコトも出来ない私は可哀想な人間?


意地を張るコトで、私は私らしく生きているつもり?


このまま、闇に消えていくだけなのに…





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