Love 4 U
人の気配と足音。

ハァハァと、息を切らす声。


振り向くと、彼がいた。

『会いたい』
その言葉は、本当だった。



「ゴメン…。遅くなって…」
息を切らしながら、彼が謝った。
「公園に行ったら…もう…いなくて…それで…探して…」
途切れ途切れに話す、彼。


「別に…」
ぶっきらぼうに、私は言った。
でも本当は嬉しかった。
彼が約束を守って、私に会いに来てくれたコトが。
それなのに、私は素直になれなかった。


「祭りの打ち上げが…延びちゃって…で、中々…出れなくて…」

「いいよ…別に…」

「ゴメン…」
まだ息を切らす、彼。
その場に座り込んだ。

私も、彼と同じ様にその場にしゃがんだ。






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