Love 4 U
「俺がいる。ユリアには、俺がいる」
リョウが突然、私を抱き締めた。


「リョウ…」
リョウの温もり。
この感触を、私はいつから忘れてしまったのか…。


「俺がいる。もう一人で頑張んな。だから、俺と生きてみないか?生きる意味を見つけるまで。答えが見つかるまで。死ぬのはそれからでも遅くない。なぁ?ユリア」
リョウが、さっきよりも強く私を抱き締める。

躰が壊れる位い。


リョウの鼓動。

私の鼓動。

同じ速さで動いていた。

私の居場所。

私の死に場所。

私の行き着く場所。


終わりなき旅路は、辿り着くとまた更に違う旅が始まる。


私達は、この世のジプシー。






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