100万本のチューリップ(短編)
………
………
「和也…? 和也!」
淳の声が聞こえる。
「和也っ!」
『…。』
気付くと和也はベッドの上に寝ていた。
淳が心配そうに上から和也を見ている。
『……淳…?』
和也はひどい汗をかき
息も切れていた。
そして、
和也は光の中に連れ込まれる映像を思い出し、
勢いよく起き上がった。
『淳!お前大丈夫だったか!?』
「…え?」
『……だって…。』
「俺達、あのままベンチで寝ちゃって、閉園時間になって、そしたら管理人が来て…人を探してるって言ったら、管理室に入れてくれたんだ。
…覚えてる?」
『…え?じゃあ…夢?』
「夢?」
『お前が女の子と一緒にいて…』
「和也もあの子の夢見たの?」
『…それは、白いワンピースをきた白い少女かい?』
「…!?」
いきなりした声に淳と和也が振り向くと
1人の老人が部屋の入り口に立っていた。