100万本のチューリップ(短編)
彼女は 死んでいる


その言葉は淳と和也にすぐに理解する事が出来なかった。


「でも俺街であの子を…!」


『それはあの子が見せた幻だよ。自分の存在に気付いて欲しくてね。』


「でも…なぜ俺に?」


『お前を、恋人だと思ってるんだろうな。
そう思うって事は、多分だけど、恋人の男とお前が同じ血で繋がってるんじゃないのか?
お前の祖父とか…。

だからお前に会いたがってたんだろう。
夢で呼びかけ幻を見せ、やっとお前がここまで来てくれた。

そしてもう1人の…お前の友人がさっき見たという夢…

恐らく、こいつを連れて行くんだと
メッセージを送ったんだろう。』


2人は少しずつ
老人の言葉を理解し始めた。

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