100万本のチューリップ(短編)
『…。』

「…。」

和也はベッドの上に座って淳を見た。

淳は窓の外を見つめたまま動かない。



『淳…寝るよ。』

「……あぁ。」


そう返事はあったものの淳は寝る様子なんて無かった。

和也は心配だから、起きて淳の様子を見ていたかったけれど

和也の眠気は限界に達してる。



(寝たくない…

正直怖い…

なぁ淳…

寝よう。

窓の外なんか見るな。

おい

淳…。)


和也は窓の外を見つめる淳を見ながら

眠気に襲われ
気を失うように

深い眠りについた…



淳は

和也が寝たのも知らず

ずっと窓の外を

見つめていた

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