100万本のチューリップ(短編)
夢そして現実
2人は黙って見つめ合っているまま

動いていない。

淳は意識がないようにも見える。

和也は、自分が見た夢を思い出した。


(淳が連れて行かれる…)




『淳!行くな!淳!』


和也は、


叫んだ。


そしてチューリップが咲く2人の元へと

走り出す。



だが

それは老人によって止められた。



『チューリップ畑の中に入るな!彼女の怒りに触れるとお前の友人だけじゃなくお前の命だって失うぞ!』

『…でも…』


『あいつ自身で、夢の世界から脱出しなければならないんだ。』

『夢の世界…』

『あいつは、今夢の中に吸い込まれてる。
今これは現実でありながらも夢の中だ。
夢と現実が交差しあいつはあそこに立っている。道を導け。』


『道を…。』



和也はそっと目を閉じ、目の前に広がってた夢の世界を、視界から消した。


(現実はここだ…淳…)


和也の声が

交差点を通り

夢の世界へと

響き渡る。



「……和也!?」

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