100万本のチューリップ(短編)
「辛かったよね…。」

淳は抱き締めながら呟いた。


「残念だけど、俺は君の恋人ではないんだ。

君の恋人は もう
この世界には居ないんだよ。

ずっと 1人で探してたんだね。

辛かったよね。

だから

もう 大丈夫だよ。

君が行くべき世界に
君の恋人がいるんだって。

やっと 会えるんだよ。

待ってるだろうから、行っておいで。

そして

幸せになるんだ。」



少女の目から

一滴の 涙が 落ちた。

< 50 / 52 >

この作品をシェア

pagetop